古林形成外科-横浜院

医療コラム

ピアス穴にできた粉瘤(できもの)とは?治療法・費用・再発リスクを形成外科医が解説

「ピアス穴の近くにしこりがある」「膿が出る」「なかなか治らない」——それは粉瘤の可能性があります。

見た目がニキビやピアスの炎症による肉芽に似ているため様子を見る方も多いですが、粉瘤は自然に治ることはなく、根本治療には手術が必要です。

この記事では、

  • ピアス穴にできた粉瘤の見分け方
  • 手術・治療方法・費用
  • 病院選び(皮膚科・形成外科の違い)
  • ピアスを再度開けるタイミングや注意点
    を詳しく解説します。

「ピアスホールを残したまま治せる?」「また同じ場所に開けられる?」と悩む方も、この記事を読めば治療から再ピアスまでの流れが分かります。

ピアス穴にできた、できものが粉瘤かも?粉瘤の見分け方

粉瘤の特徴

ピアスをしていると、耳たぶや耳の裏などに「しこり」や「できもの」ができることがあります。これが粉瘤(アテローム)であることは珍しくありません。

粉瘤は皮膚の下に袋(嚢腫)ができ、その中に皮脂や角質がたまることで徐々に大きくなります。特徴としては、

  • 中心に黒い点がある
  • 押すと皮脂のような臭いのする内容物が出る
  • ゆっくりと膨らんでくる
    などが挙げられます。
    初期は痛みがないため「ニキビかな?」と放置されがちですが、放っておくと炎症や化膿を起こし、赤く腫れ上がることもあります。

肉芽との違い

ピアス穴にできる肉芽(にくげ)は、傷の治りかけにできる赤く柔らかい盛り上がりです。触るとやや痛みや出血を伴うことが多く、粉瘤のように内部に袋や皮脂はありません。

粉瘤は皮膚の下に“しこり”として触れるのに対し、肉芽は皮膚の表面に“やわらかい突起”として現れます。

見た目が似ていても治療法がまったく異なるため、自己判断せず医療機関での診断が重要です。

ピアス穴にできた粉瘤の手術・治療方法・費用

小さい粉瘤はくり抜き法で対応

炎症を起こしていない小さな粉瘤であれば、「くり抜き法(パンチ法)」で摘出可能です。

専用の器具で袋の一部をくり抜き、中身と袋を取り出す方法で、傷跡が目立ちにくく、縫合の必要もないケースが多いです。耳たぶなど皮膚が薄い部位にも適しています。

大きく炎症を伴う場合は切開排膿

赤く腫れて痛みを伴う粉瘤では、まず切開排膿を行って膿を出し、炎症を鎮めることが優先されます。炎症が治まったあとに、再発防止のため袋ごと摘出します。

この2段階治療が、耳の形を保ちつつ安全に治す最も確実な方法です。

粉瘤手術費用の目安(保険適用)

粉瘤の手術は保険適用が可能で、費用の目安は以下の通りです。

  • くり抜き法:5,000~8,000円前後(3割負担)
  • 切開排膿+後日摘出:合計10,000~15,000円程度

ただし、部位や粉瘤の大きさによって変動するため、初診時に医師に確認すると安心です。

ピアス穴にできた粉瘤は皮膚科・形成外科・何科に行くべき?

形成外科で治療するメリット

耳たぶや耳の裏は目立ちやすい部位のため、傷跡を最小限に抑えたい方は形成外科がおすすめです。

形成外科では、皮膚の切開ラインや縫合を工夫し、美容的にも自然な仕上がりを意識した治療を行います。また、再発を防ぐための袋の取り残しがないよう、精密な手技で対応可能です。

皮膚科で対応できるケース

皮膚科でも、炎症が軽い場合や初期の診断・抗生剤処方には対応できます。

ただし、耳たぶは構造が複雑で軟骨も近く、再発や変形を防ぐためには形成外科での手術がより安全です。

ピアス穴にできた粉瘤に関するQ&A

ピアス穴に粉瘤ができてしまい、手術をしたらその穴は塞がってしまいますか?再び同じ場所に開けられますか?

手術後は傷の治癒過程で一度ピアスホールは塞がるのが一般的です。

ただし、傷跡が落ち着いた後(目安として1~3か月程度)であれば、同じ位置に再度ピアスを開け直すことは可能です。傷の治り具合を見て、医師と相談してから行いましょう。

ピアス穴に粉瘤がありますが、痛みも赤みもありません。放置していても問題ないですか?

痛みがなくても、粉瘤は自然に消えることはありません。時間とともに少しずつ大きくなり、ある日突然炎症を起こして腫れることがあります。症状が軽いうちに摘出するのが負担も少なくおすすめです。

耳たぶに小さい粉瘤があり、その上から穴を開けて貫通させてしまいました。悪化しますか?

粉瘤を貫通させると、内部に細菌が侵入しやすくなり、急に化膿や腫れを起こす可能性があります。ピアスはすぐに外し、できるだけ早く受診してください。

ピアスホールにできた粉瘤の手術で局所麻酔を打つそうですが、痛みはどの程度ですか?

耳たぶへの局所麻酔は一瞬チクッとする程度で、処置中の痛みはほとんどありません。

麻酔が切れたあとに軽い違和感が残ることがありますが、鎮痛薬で十分にコントロールできます。

病院に行くまでの間、ピアスは外したほうがいいですか?

はい、外したほうが安全です。ピアスを入れたままだと皮膚が刺激され、炎症が悪化する可能性があります。

外して清潔を保ち、腫れや痛みが強い場合は冷やして早めに受診しましょう。

まとめ

  • ピアス穴のしこりやできものは、粉瘤の可能性が高い
  • 市販薬では治らず、手術による摘出が根治治療
  • 小さいうちはくり抜き法で傷跡を目立たせずに除去可能
  • 形成外科なら見た目と再発防止の両立ができる
  • 再ピアスは傷が完全に治ってから(1~3か月後)が目安
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