ほくろの治療は古林形成外科上野院|形成外科専門医による治療

ほくろ

ほくろとは

ほくろ

「ほくろ」は、医学的には「色素性母斑(しきそせいぼはん)」と呼ばれ、皮膚の母斑細胞が増殖してできる良性の腫瘍です。

ほくろには、平坦なものと盛り上がったものがあります。色調は個人差がありますが、一般的には褐色から黒色で、まれに皮膚の色に近い淡色のものも見られます。大きさは、通常は直径1.5センチ以内の小さなものが多いですが、まれに「巨大色素性母斑」と呼ばれる、直径20センチを超える大きなタイプも存在します。

ほくろの多くは健康に悪影響を及ぼすことはありませんが、形状や色の変化がみられる場合には注意が必要です。特に、急に大きくなったり、色が濃くなったり、境界が不明瞭になったり、などの変化がある場合は、悪性腫瘍(皮膚がん)の可能性が疑われます。

このような異変がみられた際には、専門医による診察を受け、必要に応じてダーモスコピー検査などの精密検査を受けることが推奨されます。

ほくろの原因

ほくろの原因

皮膚の基底層には、メラニン色素を作る細胞である「メラノサイト」が存在します。このメラノサイトが変化した細胞を「母斑細胞」と呼び、この細胞が集まってできたものがほくろです。

母斑細胞が増える原因は、はっきりとわかっていませんが、遺伝や日光による紫外線の刺激との関連性が指摘されています。

ほくろの分類

ほくろは、皮膚のどの層に母斑細胞が存在しているかによって、「境界母斑」「複合母斑」「真皮内母斑」の3つに分類されます。それぞれのタイプによって、形状や色調、触れたときの感触などに違いがあるのが特徴です。

境界母斑

境界母斑は、母斑細胞が皮膚の表面(表皮)とその下の層(真皮)の接合部に存在するタイプのほくろです。見た目は小さく、色も比較的薄いため、目立ちにくいのが特徴です。

比較的若年層でみられることが多く、年齢とともに変化する場合もあります。

複合母斑

複合母斑は、母斑細胞が表皮と真皮の接合部に加えて、真皮内にも存在するタイプのほくろです。

色はやや黒く、境界母斑よりも明瞭で濃く見えることがあります。年齢とともに、境界母斑が複合母斑へと移行することもあります。

真皮内母斑

真皮内母斑は、母斑細胞が真皮内のみに存在するタイプのほくろで、成人に多くみられるのが特徴です。

見た目は黒〜茶褐色で、半球状に盛り上がっていることが多く、触れるとやや硬さを感じることもあります。境界母斑や複合母斑が、加齢とともに真皮内母斑に変化することもあります。

ほくろの分類

ほくろに似た疾患

一般的に、ほくろが健康に悪影響を及ぼすことはほとんどありません。そのため、顔や体にできても、特に異常がなければ過度な心配は不要です。

しかし、見た目がほくろに似ていても、実際には悪性腫瘍であるケースもあるため注意が必要です。中でも代表的なのが、基底細胞がんや悪性黒色腫(メラノーマ)です。これらは皮膚がんに分類され、特に悪性黒色腫(メラノーマ)は、悪性度が高く、早期発見・早期治療が重要とされています。

自己判断では良性・悪性の区別は難しいため、「いつもと違う」「変化してきた」など異変を感じたら、専門医を受診し、正確な診断を受けることが大切です。

悪性腫瘍(皮膚がん)の可能性があるほくろ

悪性腫瘍(皮膚がん)の可能性があるほくろには、基底細胞がんや悪性黒色腫(メラノーマ)などが挙げられます。これらは、見た目が通常のほくろとよく似ているため、見た目だけでは判断が難しいことが特徴です。

以下のような変化や異常が見られる場合には、皮膚がんの可能性があるため、早めに医療機関を受診することが推奨されます。

悪性腫瘍(皮膚がん)が疑われるほくろの特徴

  • 急に新しいほくろができた
  • 以前からあったほくろが短期間で急に大きくなった(長径6ミリ以上)
  • 色や形に変化が見られる(色が濃くなった、複数の色が混ざっている)
  • 形が左右非対称でいびつになっている(円形・楕円形ではない)
  • ほくろと皮膚との境界が不明瞭になっている(境界がぼやけている)

ほくろの診療

ほくろの診療では、悪性疾患の可能性を見逃さずに、正確な診察と的確な診断を行うことが重要です。

当院では、ダーモスコピー(皮膚拡大鏡)などの検査機器を用い、悪性腫瘍との鑑別も含めた丁寧な診察を行っています。診療にあたっては、患者様からお伺いする症状や経過の情報に加えて、以下のような要素を総合的に判断し、治療方針を決定いたします。

  • ほくろのサイズ
  • 形状
  • 部位(顔・体など)
  • 患者様の肌質
  • 生活背景(職業、生活習慣、紫外線曝露の程度など)

このように、診療には多岐にわたる情報が必要となるため、当院では患者様から状態について詳しく丁寧にお伺いするようにしています。

問診後は、ダーモスコピーを使用して、ほくろの構造や色調の詳細を確認します。その結果、悪性腫瘍の疑いが強い場合や、リスクが高いと判断された場合には、切除して病理検査を行います。

ほくろの治療

当院では、ほくろの大きさ・形状・部位・色調・皮膚の状態に加え、患者様のご希望を丁寧に確認したうえで、「切除手術」または「焼灼術」のいずれかを選択し、できる限り綺麗な仕上がりを目指した治療を行っています。

切除手術

切除手術は、確実な除去と自然な仕上がりを重視される方に適した治療法です。

事前に切除範囲を綿密にデザインし、形成外科的手技により丁寧に摘出・縫合を行います。縫合においては、皮下では溶ける糸による真皮縫合を行い、表皮には髪の毛よりも細い極細の糸を使用することで、傷あとが目立ちにくく、自然な仕上がりを実現しています。

また、切除した組織は病理検査に提出可能であり、万が一の悪性腫瘍(基底細胞がんや悪性黒色腫など)の見逃しを防ぐことができます。

焼灼術

焼灼術は、短時間での処置を希望される方や、身体への負担を最小限に抑えたい方に適しています。

電気メスの熱を用いて、ほくろの表面を削り取りながら母斑細胞を焼灼することで治療を行います。この治療は皮膚を切開せずに済むため、出血が少なく、止血と治療を同時に行えるのが特徴です。

処置後は、一時的にくぼみや赤みが生じることがありますが、皮膚の再生とともに徐々に目立たなくなっていきます。

※病理検査は原則として行えませんので、悪性所見が疑われる場合には切除手術を推奨いたします。

ほくろの治療(切除手術)の流れ

当院では、整容的な仕上がりと安全性を重視し、形成外科的手技による丁寧な切除手術を行っています。以下は、ほくろ切除手術の一般的な流れです。

治療対象部位のマーキング

治療対象部位のマーキング

手術前に医師が切除対象のほくろの位置を確認し、切開ラインを皮膚にマーキングします。仕上がりや傷跡を考慮したデザインで行います。

局所麻酔の実施

局所麻酔の実施

切除部位の周囲に局所麻酔を注射し、痛みを感じない状態にします。麻酔が効くまで数分待機します。

ほくろの切除

ほくろの切除

形成外科的手技を用い、ほくろを丁寧に摘出します。組織を一塊で切除することで、再発や色素の残留を防ぎます。

縫合

縫合

皮下では溶ける糸による真皮縫合を行い、表皮には髪の毛よりも細い極細糸で丁寧に縫合します。傷跡が目立ちにくい自然な仕上がりを目指しています。

病理検査

病理検査

切除した組織は、悪性の有無を確認するために病理検査に提出する場合があります。検査結果は通常、1~2週間程度で判明します。

抜糸

抜糸

手術後1~2週間を目安に抜糸を行います。抜糸後もしばらくはテープ固定を続け、傷跡の広がりや色素沈着を防ぎます。

当院のほくろ治療の方針について

当院では、ほくろの大きさや部位、形状に応じて、保険診療・自費診療のいずれかで治療を行っております。

ほくろの中でも拡大傾向のあるもの、大きなもの、悪性を疑うものは、保険適用の対象として外科的切除を行い、切除後に病理検査を実施いたします。一方でそれ以外のほくろについては、保険適用の対象外として、自費診療での治療をご案内しております。

また、首より下の部位(首、胸、背中、腕など)にあるほくろについては、CO₂レーザーや電気メスによる焼灼治療では、術後に傷跡が残る可能性が高くなるため、ある程度の大きさがあるものは外科的に切除し、病理検査を行う方針としています。

治療にあたっては、患者様の症状やご希望を丁寧に伺った上で治療法をご提案いたします。お気軽にご相談ください。

当院の特徴

形成外科専門医による、患者様一人ひとりに合わせた治療

手術

当院では、日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。診察では、ダーモスコピーなどの医療機器を用いて、皮膚の状態を丁寧かつ詳細に観察し、正確な診断に基づいて適切な治療方針を立てています。

治療にあたっては、ほくろの大きさや深さ、部位といった医学的な評価に加え、患者様のご希望やライフスタイルも十分に考慮します。そのうえで、一人ひとりに合った治療法をご提案し、安心して治療を受けていただけるよう心がけています。

日帰り手術で、身体への負担を最小限に

医師の診察

当院のほくろ治療は、基本的に日帰りで外科的切除を行っております。事前の診察で適応を慎重に見極め、安全性を確認したうえで日帰り手術を実施しています。

日帰り手術は、身体への負担が少なく、日常生活への影響を最小限に抑えられるのが特長です。お忙しい方や、できるだけ短期間で治療を受けたい方に適した治療法といえます。

痛みの少ない治療へのこだわり

医師の診察

手術に対して不安をお持ちの方にも、安心して治療を受けていただけるよう、痛みの軽減に対する工夫を徹底しています。

治療中は局所麻酔を使用し、できる限り痛みを抑えることを基本としています。麻酔の注射時にも配慮し、極細の麻酔針を使用することで、刺入時の刺激を最小限に抑えています。さらに、麻酔薬の配合にも工夫を施し、痛みを感じにくい治療を心がけています。

自然な仕上がりと傷あとへの配慮

当院では、形成外科の専門技術を活かし、美しさと機能性の両立を追求した手術を提供しています。

術後の仕上がりにも細部までこだわり、皮下では吸収される糸による真皮縫合を行い、表面は髪の毛よりも細い極細糸を用いて丁寧に縫合しています。このような処置により、傷跡が目立ちにくく、より自然な仕上がりを実現しています。

ほくろの治療費用

ほくろの中でも拡大傾向のあるもの、大きなもの、悪性を疑うものは、保険適用の対象として外科的切除を行います。一方でそれ以外のほくろについては、保険適用の対象外として、自費診療での焼灼術による治療をご案内しております。

切除手術(保険適用)

露出部(顔、首、肘から指先まで、膝から足先まで)の場合

ほくろの大きさ3割負担1割負担別途費用
2cm未満5,000~6,000円程度2,000円程度診察料・処方料
1,000円程度
検査費用
1,000円程度
病理検査費用
3,000円程度
2cm〜4cm未満11,000~12,000円程度4,000円程度
4cm以上13,000~14,000円程度4,500円程度

※お支払いは現金のみとなります。

非露出部の場合(露出部以外)

ほくろの大きさ3割負担1割負担別途費用
3cm未満4,000~5,000円程度1,500円程度診察料・処方料
1,000円程度
検査費用
1,000円程度
病理検査費用
3,000円程度
3cm〜6cm未満10,000~11,000円程度3,500円程度
6cm〜12cm未満12,000~14,000円程度4,500円程度
12cm以上25,000円程度8,000円程度

※お支払いは現金のみとなります。

焼灼術(自費診療)

ほくろの大きさ費用
3mm未満11,000円
3〜5mm未満16,500円
6〜9mm未満22,000円
4cm以上27,500円

※お支払いは現金のみとなります。

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