脂肪腫は手術しないとどうなる?放置によるリスクと判断のポイント

「脂肪腫は手術しなくても大丈夫?」
結論から言うと、脂肪腫はほとんどが良性で命に関わることはありませんが放っておくと、
- 大きくなったり
- 痛み
- しびれ
が出ることがあります。
また、悪性の脂肪肉腫との見分けがつきにくいケースもあるため、専門医の診察を受けることが大切です。
今回は、脂肪腫を手術しないとどうなるのか、放置してもよいケースと注意すべきケースをわかりやすく解説します。
脂肪腫を手術しない場合に起こりうること
脂肪腫は良性とはいえ、放置しても問題がないケースばかりではありません。特に以下のような経過をたどることがあります。
時間とともに徐々に大きくなる
脂肪腫はゆっくりと成長する性質があり、気づいたときよりも一回り大きくなっているということは珍しくありません。サイズが大きくなると、見た目の違和感が強くなったり、衣類や持ち物に擦れて気になることも増えます。
神経や筋肉を圧迫し、痛みやしびれの原因になることも
部位によっては脂肪腫が神経や血管、筋肉を圧迫し、痛み・しびれ・運動障害が出ることがあります。特に首・肩・腕・太ももなど、日常的に動かす場所にある場合は注意が必要です。
稀に悪性腫瘍(脂肪肉腫)との鑑別が必要なことも
良性の脂肪腫と思っていても、急激に大きくなる・痛みを伴う・形がいびつになるなどの変化があれば、悪性腫瘍である脂肪肉腫の可能性も否定できません。見た目だけでの自己判断は避け、医師による評価が必要です。
手術をおすすめするのはこんなケース
以下に該当する場合、早期の切除手術を検討したほうが良いとされています。
- 大きさが5cm以上ある
- 徐々に大きくなっている
- 痛み・しびれ・違和感がある
- 日常生活で邪魔になる
- 見た目が気になる
- 悪性との鑑別が必要と診断された
脂肪腫は手術で完全に取りきることで再発のリスクを減らすことができ、経過を不安に思い続ける必要もなくなります。
手術しないという選択をする場合の注意点
症状がなく、医師の診断でも経過観察で問題ないとされた場合には、すぐに手術を受けなくてもよいケースもあります。ただし、
- 定期的な経過観察(サイズ・症状の変化のチェック)
- 自己判断で放置しない
- 異変を感じたらすぐに再診を受ける
といった自己管理がとても大切になります。実際に来院される患者さんの話を聞くと、10年以上放置していて、やっと手術しようと思えた、という方も少なくありません。
大きくなってきた、目立つ部位にできてしまった、日常生活でぶつかる場所にあって不便、など何かきっかけがあって手術に踏み切る方が多い印象です。
手術をしなければなくならない、小さなうちに切除する方が傷が小さく済むという事は頭の中に入れておきましょう。
Q&A|脂肪腫を手術せずに放置しても大丈夫?
脂肪腫は自然に治ることはある?
自然に小さくなったり消えたりすることは基本的にありません。放置しても症状が出ないこともありますが、長期間の経過で徐々に大きくなるケースがほとんどです。
経過観察で様子を見てもいい場合は?
痛みがなく、サイズも安定しており、悪性所見がないと医師が判断した場合には経過観察も選択肢になります。ただし、「悪性の疑い」がないことが前提になります。
まとめ|脂肪腫は「放置していいかどうか」の見極めが大切
脂肪腫は基本的に良性の腫瘍ですが、すべてが安全とは限りません。放置によってサイズが大きくなったり、神経を圧迫して症状が出るリスクもあるため、“診断されたらまず医師と治療の必要性を相談する”ことが重要です。
形成外科では、見た目と機能の両面から判断し、必要に応じて保険適用での切除手術にも対応しています。脂肪腫でお悩みの方は、まずお気軽にご相談ください。