脂肪腫の治療は古林形成外科上野院|形成外科専門医による治療

脂肪腫

脂肪腫(リポーマ)とは

脂肪腫(リポーマ)について

脂肪腫(リポーマ)とは、皮膚の下に発生する良性腫瘍です。脂肪や筋肉、血管などにできる軟部良性腫瘍の中でも最も頻度が高く、形成外科での治療が一般的です。脂肪腫は皮下の脂肪細胞が増殖して塊となり、徐々に皮膚がドーム状に盛り上がります。

脂肪腫は幼少期に発生しやすいと考えられていますが、成長は緩やかで、時間の経過とともに大きくなります。そのため、脂肪が蓄積しやすくなる40〜50歳代になってから気づくことも多くあります。

脂肪腫は、脂肪細胞があれば全身のどの部分にも発生する可能性があり、特に以下の部位で好発します。

頚部(特に後ろ側)

肩甲骨周辺から背中

上腕

太もも

一方で、頭皮や顔面、膝から下の部位に発生することは珍しいとされています。

動画解説|脂肪腫とは

脂肪腫の原因

脂肪腫は、増殖した脂肪細胞が薄い線維性の膜に包まれ、柔らかいしこり(腫瘍)として形成されます。

脂肪腫の発生原因やメカニズムははっきりとわかっていませんが、衣服との摩擦が頻繁に起こる部位に好発する傾向にあります。また、脂肪腫は染色体の異常と関係しているとされており、遺伝が原因の可能性も考えられています。

通常、成熟した脂肪細胞は増殖しませんが、毛細血管周辺の未分化細胞が遺伝子異常を起こし、脂肪細胞の分化や増殖を引き起こすことがあり、それが脂肪腫の原因とされています。

脂肪腫の発生リスクを高める要因としては、遺伝的素因に加えて、ストレスや肥満、生活習慣などが挙げられますが、これらについて明確な根拠はわかっていません。

脂肪腫の主な種類と症状

脂肪腫は通常、皮下に形成され、多くの場合は無症状です。脂肪腫が大きくなると皮膚の隆起が見られるものの、痛みやかゆみ、肌の色調の変化などはほとんどありません。ただし、脂肪腫には痛みや不快感を伴う種類もあるため、注意が必要です。以下に、脂肪腫の主な種類や特徴についてご紹介します。

線維脂肪腫

線維脂肪腫は、脂肪細胞の中に膠原線維が豊富に含まれ、被膜に包まれた脂肪腫です。脂肪腫の中で最も多く発生し、皮膚直下に柔らかいしこりが生じます。通常、痛みや皮膚の変色を伴いません。

後頚部(首の後ろ)や上背部など、圧がかかりやすい部位に多く見られ、長期間放置すると徐々に大きくなることがあります。特に背中に発生した場合、痛みがないため気づくのが遅れ、大きくなってから受診することもよくあります。

筋脂肪腫

筋脂肪腫は、皮膚の深部に発生し、筋肉内に存在することが多い脂肪腫です。筋脂肪腫は後頚部に多く見られ、被膜が不明瞭なケースもあります。

筋組織に浸透するように発生している場合もあるため、脂肪腫の中では取り除くのが難しい傾向があります。完全に除去するには、切開部を大きく開いて摘出する必要があります。

血管脂肪腫

血管脂肪腫は、手足や背部、腹部などさまざまな部位に発生する可能性がある脂肪腫です。特定の部位だけでなく、全身に多発することもあります。

成熟した脂肪細胞の間に多数の毛細血管が存在しており、1センチ程度の小さな硬いしこりとして触れることができます。血管脂肪腫は、触れなくても痛む自発痛や、押すと痛む圧痛を伴うのが特徴です。

脂肪腫の検査・診断

まず、問診で患者様の症状や病歴を確認し、触診で腫瘍の外観や触感を直接確認します。その後、超音波(エコー)検査で画像診断を行います。画像検査にはCT検査やMRI検査などもありますが、当院では主に超音波検査を用いて診断しています

腫瘍が大きい場合や、体の深い部分に達している場合は、より詳細な検査が必要になることがあります。その際は、他の医療機関でCT検査やMRI検査を受けていただくことがあります。

脂肪腫は早期からの治療を

脂肪腫は多くの場合、痛みを伴わない良性腫瘍であるため、見過ごされがちです。しかし、放置すると脂肪細胞が増殖し、腫瘍が拡大する可能性があります。脂肪腫は内服薬や外用薬では効果が期待できず、内容物が液体ではないため、注射器による吸引もできません。完治を目指すには、手術による摘出が唯一の方法です。

摘出手術では、脂肪腫の大きさにあわせて皮膚の切開範囲を調整します。腫瘍が大きくなるほど切開範囲が広がり、術後の傷が目立ったり、費用面での負担が高まったりする恐れがあります。

さらに、場合によっては脂肪腫ではなく、悪性腫瘍の可能性もあります。皮下に小さなしこりを発見した際は、大きさに関わらず、速やかに専門医の診察を受けることが重要です。

脂肪腫の治療

脂肪腫の治療には、外科的手術による摘出が唯一の方法です。手術では腫瘍が体内に残ると再発のリスクが高まるため、脂肪腫を膜ごとまとめて摘出することが重要です。

脂肪腫は良性腫瘍であり、時間とともに徐々に大きくなりますが、急速に成長している場合は悪性腫瘍の恐れもあります。そのため、摘出後に病理組織検査を行い、悪性所見の有無を確認することもあります。

脂肪腫の手術について

脂肪腫の手術では、まず腫瘍直上の皮膚を切開します。そして、被膜を傷つけないように腫瘍周囲の組織から丁寧に剥離し、一塊として摘出します。摘出後は血腫を予防するために十分な止血を行い、縫合します。手術の最後に圧迫固定を施し、場合によっては血液貯留を防ぐため、ドレーンという柔らかいストロー状の管を創部に留置します。

脂肪腫の再発率は低く、傷あとが目立たないように、傷口を細かく縫合します。

脂肪腫の手術の流れ

治療対象部位のマーキング

STEP1

治療対象部位のマーキング

手術前に肩の大きな脂肪腫(リポーマ)を確認し、該当箇所と切開ラインをペンでマーキングします。

麻酔注射と最小限の切開

STEP2

麻酔注射と最小限の切開

局所麻酔を注射し、脂肪腫の大きさに応じて皮膚を切開します。切開の大きさは、摘出する腫瘍の約3分の2が目安です。当院では、注射が苦手な患者様の不安を軽減するため、麻酔注射時の痛みを軽減する工夫をしています。極細の針と特殊な薬剤を使用し、痛みを最小限に抑えています。また、形成外科専門医が、傷あとが目立ちにくくなるよう皮膚切開部のデザインを行います。

丁寧な剥離・腫瘍の摘出

STEP3

丁寧な剥離と腫瘍の摘出

脂肪腫を包んでいる薄い膜を見つけ、指先(用手剥離)とピンセットで丁寧に剥離し、膜ごと一塊で摘出します。

止血と縫合

STEP4

十分な止血と縫合

摘出後の部位は空洞となり、血液が溜まりやすくなります。そのため、しっかりと止血し、切開部を縫合します。必要に応じて「ドレーン」と呼ばれる細い管を使用し、溜まった血液を排出します。最後にガーゼと伸縮テープで圧迫固定し、手術が終了します。

抜糸

STEP05

抜糸

手術後1~2週間ほど経過したら、抜糸を行います。当院では、縫合部が露出しない方法を採用しており、術後の傷の治癒を早め、目立ちにくくするために細い糸で丁寧に縫合を行っています。

創部の皮膚の治癒

STEP06

創部の皮膚の再生

抜糸後1週間ほど経過すると赤みが引き、皮膚が正常な状態に戻ります。

動画解説|血管脂肪腫の日帰り手術

当院の脂肪腫治療の特徴

Point1

形成外科専門医による治療

Point2

可能な限り小さい切開で腫瘍を摘出

Point3

局所麻酔による日帰り手術で治療

Point4

局所麻酔では極細針を用いて痛みを軽減

当院では、形成外科専門医が皮膚の切開部をデザインし、傷あとが目立たないよう最小限の切開を心がけています。手術は局所麻酔で行い、日帰りで対応することで、患者様の負担をできるだけ抑えるよう努めています。

また、痛みを最小限に抑えるため、特殊な麻酔薬と極細針を使用しています。

当院の麻酔薬の工夫

麻酔薬は、pHが中性に近づくほど痛みが軽減しやすくなります。一般的な局所麻酔薬には、1%または0.5%のエピネフリンを配合したキシロカインが用いられますが、この場合、薬剤が酸性(pH3.5~5)に偏るため、痛みが生じやすくなります。当院では、局所麻酔に7%のメイロンを混ぜ、中性(pH7)に近づける工夫をしています。この方法により、麻酔注入時の痛みが軽減されます。

脂肪腫(リポーマ)の治療費⽤(健康保険適⽤)

露出部(顔、首、肘から指先まで、膝から足先まで)の場合

切除した脂肪腫の直径の合計 3割負担 1割負担 別途費用
2cm未満 5,000〜6,000円程度 2,000円程度

診察料・処方料1,000円程度

検査費用1,000円程度

病理検査費用3,000円程度

2cm〜4cm 11,000〜12,000円程度 4,000円程度
4cm以上 13,000〜14,000円程度 4,500円程度

※お支払いは現金のみとなります。

非露出部の場合(露出部以外)

切除した脂肪腫の直径の合計 3割負担 1割負担 別途費用
3cm未満 4,000~5,000円程度 1,500円程度

診察料・処方料1,000円程度

検査費用1,000円程度

病理検査費用3,000円程度

3cm~6cm未満 10,000~11,000円程度 3,500円程度
6cm~12cm未満 12,000~14,000円程度 4,500円程度
12cm以上 25,000円程度 8,000円程度

※お支払いは現金のみとなります。

WEB予約
新宿院 横浜院
カレンダーアイコン WEB予約
トップぺ戻る