できものの治療は古林形成外科上野院|形成外科専門医による治療

できもの

できものとは

皮膚に発生する腫瘍やしこりを総称して「できもの」と呼びます。これらは身体のあらゆる部位に発生し、その特徴は様々です。表面に現れるものもあれば内側に発生するものもあり、色や硬さ、大きさも多岐にわたります。

一般的に知られているイボやニキビ、ほくろも「できもの」の一種です。多くの場合、自覚症状がないことが多いですが、進行すると痛みや出血、悪臭が生じたり、外見に変化を及ぼすことがあります。また、中には皮膚がんなどの悪性腫瘍である可能性もあるため、異変を感じた場合は早めに医療機関を受診し、適切な検査・治療を受けることが重要です。

悪性腫瘍はもちろん、良性のイボや粉瘤であっても、早期に治療や手術を行うことで患者様の負担軽減につながります。

こんなお悩みがある方はぜひご相談ください

  • できものが悪性ではないか心配
  • 「ほくろ」や「イボ」が大きくなってきた
  • できものから出血してきた
  • できものが化膿している

できものの種類

粉瘤(アテローム)

粉瘤(アテローム)とは、良性の皮下腫瘍の一つで、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれます。体表のどこにでも発生する可能性がありますが、特に以下の部位に好発します。

  • 背中
  • 耳の後ろ

粉瘤は、皮膚の上皮成分が皮下に落ち込み、袋状の組織が形成されることで発生します。この袋状の組織内に垢や皮脂などの老廃物が蓄積されることによって成長します。発症の原因ははっきりとは分かっていませんが、ウイルス感染、外傷、体質などが関与していると考えられています。

初期段階の粉瘤は、数ミリ程度の小さな隆起として現れるため、ニキビやしこりのように見えて気づきにくいことがあります。しかし、放置すると皮膚の隆起が大きくなり、悪臭や細菌感染、炎症を引き起こす恐れがあります。

粉瘤は、ニキビや吹き出物とは異なり、自然に治ることはありません。そのため、手術を行わないと根治は困難です。また、自分で内容物を押し出そうとすると、袋状の組織が破れて炎症を引き起こす危険性があります。さらに、内容物が周囲の組織に広がり、症状が慢性化する可能性もあります。粉瘤がある場合は無理に処置せず、医療機関を受診して適切な治療を受けることが重要です。

脂肪腫(リポーマ)

脂肪腫(リポーマ)は、皮下組織に発生する良性腫瘍の中で最も多く見られるものです。身体のあらゆる部位に発生する可能性があり、特に背部、肩、後頚部に多く見られます。また、上腕、臀部、大腿などの四肢にも発生することがあります。

脂肪腫は皮下がドーム状に盛り上がり、柔らかいしこりとして形成されます。多くの場合、痛みやかゆみといった自覚症状は伴いません。大きさは数ミリ程度から10センチを超えるものまで様々で、時間の経過とともに大きくなり、目立つようになることがあります。発症原因は明確には解明されていませんが、肥満、糖尿病、遺伝的要因などが関与していると考えられています。

脂肪腫は自然治癒せず、内服薬や外用薬での改善も期待できません。また、内容物が固形のため、注射器での吸引も不可能です。このため、脂肪腫を完治させるには外科的な摘出が必要です。

脂肪腫が大きくなると、手術の難易度や費用負担が増すだけでなく、良性の脂肪腫と症状が類似した悪性腫瘍の可能性も考慮する必要があります。そのため、小さなしこりでも発見次第、専門医の診察を受けることが重要です。

石灰化上皮腫(毛母腫)

石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ)は、毛穴の奥深くにある「毛母(もうぼ)」という毛を作る細胞が石灰化することで発生します。皮下に石のように硬いしこりができるのが特徴で、良性の皮膚腫瘍の一つです。顔や首、腕などに発生しやすい傾向があります。見た目は水疱(水ぶくれ)のような形状で、大きさは通常0.5~3センチほどです。サイズが大きくなると、皮膚が薄い部分では腫瘍が透けて黄白色や青黒い色に見えることもあります。

多くの場合は無症状ですが、圧迫すると痛みやかゆみを引き起こすことがあります。また、細菌感染や異物反応が起きると症状が悪化し、皮膚に穴が開くこともあります。その場合は、手術による速やかな除去が推奨されます。

石灰化上皮腫は子どもや若い女性に多くみられますが、発症の正確な原因は不明です。その見た目や形状から、粉瘤や脂肪腫と誤認されることも珍しくありません。

ほくろ

ほくろは、メラノサイト(メラニン色素を生成する細胞)が集まってできる良性腫瘍のことです。皮膚表面に現れる黒色や茶色の斑点で、平らなものや盛り上がったものなど、その形状や色はさまざまです。

ほくろは誰にでも1つはあり、容姿の特徴の一部として捉えられることもあります。しかし、まれに悪性のものが含まれる場合があるため、変化が見られるほくろには注意が必要です。

ほくろは皮膚がんとの鑑別が難しい場合があり、患者様の症状や状態を確認するために詳細な検査を行うことがあります。その一つが、ダーモスコピーという特殊な拡大鏡を用いた観察です。悪性の疑いが強い場合には、手術で切除して病理検査を行い、診断を確定します。

ほくろに違和感を覚えたり、皮膚がんの特徴に似た変化が見られたりする場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

イボ

イボは数ミリから数センチ程度の隆起したできもののことで、さまざまな見た目や種類があります。発生要因にはウイルス感染や加齢などがあり、炎症を伴うケースでは日常生活に支障をきたす場合もあります。また、放置すると大きくなるようなイボもあります。イボが大きくなると綺麗に治すことが難しくなる可能性があるため、気になる症状がある場合はお早めにご相談ください。

主なイボの種類

イボ(尋常性疣贅:しんじょうせいゆうぜい)

尋常性疣贅は最も一般的なイボで、形状はさまざまです。皮膚の傷口からヒトパピローマウイルス(HPV)が感染することが主な発生原因です。多くの場合、痛みやかゆみなどの症状はありませんが、放置すると数が増えたり、他人に感染したりする恐れがあります。

水イボ(伝染性軟属腫:でんせんせいなんぞくしゅ)

水イボは、光沢のあるドーム状の小さな隆起が特徴のイボです。主な原因はポックスウイルスの感染で、6歳以下の子どもに多く見られます。胸部、腹部、脇の下など皮膚の薄い部分に発生しやすく、ほとんどが数ミリ以下のサイズです。水イボを掻くと内容物が皮膚に付着し、感染が広がる恐れがあります。そのため、集団生活を送る子どもは、積極的に治療を受けることが重要です。

老人性イボ(脂漏性角化症:しろうせいかくかしょう)

老人性イボは、紫外線による皮膚の老化が原因で発生するイボです。中年以降に多く見られますが、20代での発生も珍しくありません。顔面、頭部、胸元などに好発し、茶色や黒ずんだ色の腫瘤として現れます。年齢を重ねるほど数が増加する傾向があり、シミが時間の経過とともに老人性イボに変化することもあります。

首イボ(アクロコルドン)

首イボは、非感染性の老人性イボの一つで、首や脇の下など皮膚が柔らかい部位に発生します。有茎性に盛り上がった小さなイボとして現れるのが特徴です。早期に対処すべきイボではありませんが、衣類との接触で痛みや炎症を引き起こすことがあるため、注意が必要です。

皮膚線維腫

皮膚線維腫は、主に成人女性の腕や大腿部、足に発症する良性腫瘍で、大きさは数ミリから2センチ程度です。皮膚表面がわずかに隆起し、肌色や茶色をしていることが多いです。触ると皮下に硬いしこりを感じられ、基本的には痛みやかゆみなどの症状はありません。ただし、衣類との摩擦で不快感を覚えたり、患部をつまむと痛みを生じることがあります。

発生原因は明確ではありませんが、以下の要因が関係していると考えられています。

  • 虫刺され
  • 小さな傷
  • 遺伝的要因

多くの場合、悪性化の心配はなく経過観察で問題ありません。ただし、サイズが大きいものや数が増加傾向にある場合、まれに DFSP(隆起性皮膚線維肉腫) という悪性腫瘍の可能性があり、鑑別が必要です。

外骨腫(がいこつしゅ)

外骨腫は、原発性骨腫瘍の中で最も頻繁にみられる良性腫瘍です。骨軟骨腫(こつなんこつしゅ)とも呼ばれ、骨幹端部(骨の端)にツノ状の膨隆として現れ、軟骨で覆われています。形成外科領域では、爪の下、前額部(おでこ)、頭蓋によく発生します。

前額部や頭蓋に発生した外骨腫は痛みを伴わないことが一般的ですが、美容上の理由から摘出を希望される患者様も少なくありません。

治療では主に局所麻酔下で行い、ツチやノミを使用して手術により腫瘍を摘出します。摘出された組織は病理検査を行い、創部は細かく縫合して傷あとが目立たないように処置します。

ガングリオン

ガングリオンは、手首や指の関節付近に発生しやすい腫瘤のことです。サイズは米粒ほどの小さなものから、ピンポン玉ほどの大きさになるものまで様々です。関節には関節包(関節を包む組織)があり、その内部は滑液(かつえき)という関節の動きをスムーズにする液体で満たされています。ガングリオンは、この滑液が外部へ漏れ出し、皮下に袋状の腫瘤を形成することで発生します。通常は手首の関節付近に見られますが、まれに指の付け根にある腱鞘(腱を包む組織)に発生することもあります。

多くの場合、強い痛みは伴いませんが、神経が圧迫されると不快感や痛みを感じることがあります。

治療方法としては、保存療法または手術による摘出が選択されます。注射で内容物を吸引する穿刺吸引を行っても再発を繰り返す場合には、手術による治療が考慮されます。

神経線維腫(しんけいせんいしゅ)

神経線維腫は、皮膚や皮下組織に発生する腫瘍で、常色から淡い紅色の見た目が特徴です。さまざまなサイズがあり、柔らかい感触を持つことが一般的です。多くの場合、思春期頃から少しずつ現れ始め、加齢とともに数が増加する傾向があります。

神経線維腫は、単発性と多発性に分類されます。特に多発性の場合は、神経線維腫症Ⅰ型(レックリングハウゼン病) の可能性があり、注意が必要です。

痛みを伴うことはなく、悪性化するリスクもありません。しかし、見た目上の問題から手術による摘出を希望する患者様が多くいらっしゃいます。

神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)

神経鞘腫は、神経を包む神経鞘(神経のさや)から発生する良性腫瘍です。末梢神経のシュワン細胞が原因となることから、シュワン細胞腫と呼ばれることもあります。神経鞘腫は主に皮下組織や筋肉などの軟部組織に発生しますが、脳や脊髄、消化管などにも発生する可能性があります。

症状は腫瘍の発生部位によって異なります。皮下に発生した場合、圧迫により痛みを引き起こすことがあります。

治療には外科的切除が選択されますが、大きな神経に関与する場合には術後に神経障害が生じるリスクがあります。そのため、手術は慎重に行う必要があります。

脂腺母斑(しせんぼはん)

脂腺母斑は先天性の皮膚奇形で、一見すると黄色いあざのように見えるのが特徴です。頭部に発生しやすく、初期段階では周囲の肌とほぼ同じ色をしているため、見逃されることがあります。頭部に発生した場合、脱毛斑として見えることがあり、これが目印の一つです。表面はザラザラした質感のものもあれば、平坦で滑らかな場合もあります。

思春期を迎えると脂腺母斑はサイズが大きくなり、あざが徐々にイボ状に変化します。さらに、30歳以降にはまれに悪性腫瘍に発展する可能性があります。このため、小中学生の時期に切除することが推奨されています。

表皮母斑(ひょうひぼはん)

表皮母斑は、生まれてから生後2〜3か月頃に発生するあざの一種です。頻度は新生児1,000人に1人程度とされており、比較的まれに発生します。発生原因は詳細には解明されていません。

表皮母斑は、帯状に広がる褐色のあざで、ザラザラとした感触が特徴です。首や胴体、手足に現れることが多く、自然に治ることはないとされています。放置すると徐々に範囲が広がる可能性があるため、早期の治療が推奨されます。

治療法としては、外科的に切除する方法や、表皮を浅く削り取る方法があります。

悪性のできものには要注意

「できもの」はすべてが良性腫瘍ではなく、中には悪性腫瘍が潜んでいる可能性があります。良性か悪性かを見分ける際には、できものの硬さや表面の状態が主な指標となりますが、正確に判断するためには専門医による診断が不可欠です。

気になるできものがある場合は、自己判断せず、早めに医療機関を受診してください。

当院のできもの治療

当院では、手術前に丁寧な問診と詳細な検査を実施し、できものの状態を細かく鑑別しています。その結果をもとに、患者様の状況を考慮し、最適な治療計画を詳しくご説明いたします。

「できもの」に関して気になることがある方や、治療についてお悩みの方は、当院までお気軽にお問い合わせください。

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