粉瘤

2025.05.26

粉瘤（アテローム）の原因とは？できやすい人の特徴も解説！

東京都台東区上野の「東京皮膚腫瘍ほくろと粉瘤クリニック古林形成外科上野院」です。当院では、日帰り手術による粉瘤の治療を行っています。

本記事では、粉瘤の原因とできやすい人の特徴、そして治療方法について解説します。ぜひご参考ください。

粉瘤の発症メカニズムと原因について

粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造（嚢腫）が形成され、その内部に角質や皮脂などの老廃物がたまることで発生する良性の腫瘍です。医学的には「表皮嚢腫（ひょうひのうしゅ）」もしくは「アテローム」とも呼ばれます。

ここでは、粉瘤の発症メカニズムと原因について解説します。

粉瘤の発症メカニズム

本来であれば皮膚の表面にあるはずの表皮の一部が、外傷や摩擦などの刺激によって皮膚内部に入り込むことで、袋状の構造（嚢腫）が形成されます。このようにしてできた袋状の構造の中に、角質や皮脂といった老廃物が徐々に蓄積し、皮膚の下にしこりとして成長していくのが、粉瘤の基本的な発症メカニズムです。

粉瘤の原因

粉瘤の明確な原因は、現時点で解明されているわけではありません。ただし、毛穴の詰まりや、皮膚への外傷・打撲などの物理的刺激が関係していると考えられています。また、一部の研究では、ヒトパピローマウイルス（HPV）感染や遺伝的要因が粉瘤の発症に関与する可能性があるとも指摘されています。

粉瘤は体質的にできやすい方もおり、そのような場合には複数の粉瘤が同時に発生したり、時間をおいて繰り返し生じることもあります。

粉瘤の症状とできやすい人の特徴

粉瘤の原因は明確には解明されていませんが、これまでの研究や臨床経験から、粉瘤ができやすい人には特定の傾向があることがわかっています。ここでは、まず粉瘤の症状を紹介し、その後に粉瘤ができやすい人の特徴について解説します。

粉瘤の症状

初期段階では、皮膚の下に数ミリ程度の柔らかいしこりとして現れ、通常は痛みやかゆみを伴いません。しかし、放置すると徐々に大きくなり、皮膚表面がドーム状に盛り上がってくるようになります。

粉瘤ができやすい部位としては、皮脂腺が多く存在する顔、首、背中、耳の後ろなどが代表的です。しこりの中央には小さな開口部（黒点）が見られることがあり、ここから内容物が排出されると、独特な悪臭を伴うことがあります。

さらに、細菌に感染すると炎症を引き起こし、「炎症性粉瘤」と呼ばれる状態になります。炎症が生じると、患部が赤く腫れ、熱感を伴い、強い痛みや化膿を引き起こすことがあります。

粉瘤ができやすい人の特徴

明確な発症原因は解明されていませんが、いくつかの研究や臨床経験から、粉瘤ができやすい傾向のある人には以下のような特徴が見られることが知られています。

皮脂の分泌が多い人
毛穴が詰まりやすい人
肌への刺激が多い人
ニキビができやすい体質の人
遺伝的な要因を持つ人（家族に粉瘤の既往がある）
男性であること（女性よりも男性の方が発症頻度が高い）
不規則な生活やストレスが多い人

このように、粉瘤は皮脂分泌や毛穴の詰まりやすさ、生活習慣や遺伝的な体質などの要因が関与することで発生しやすくなると考えられています。

粉瘤の予防と治療法

粉瘤は、明確な発症原因が解明されておらず、現在のところ確立された予防法はありません。しかし、日常生活の中で肌を清潔に保ち、過剰な皮脂分泌を抑えることが、粉瘤の発生リスクを低下させる可能性があると考えられています。

治療においては、粉瘤の袋状構造（被膜）を含めて完全に摘出する外科的手術が唯一の根本的な治療法です。内部の内容物だけを除去しても、被膜が残っていれば再発のリスクが高くなるため、被膜ごと丁寧に摘出することが重要です。

粉瘤の手術には、主に「くり抜き法」と「切開法」の2種類があります。いずれの方法も局所麻酔で対応可能であり、通常は日帰りでの手術が可能です。また、粉瘤の治療にあたっては、診察・検査・手術・病理検査を含むすべての診療が健康保険の適用対象となります。

まとめ

粉瘤の原因は、現時点では完全には解明されていませんが、毛穴の詰まりや皮膚への外傷・打撲、ヒトパピローマウイルス（HPV）感染、遺伝的な要因などが関与している可能性が指摘されています。特に、皮脂の分泌が多い方、毛穴が詰まりやすい方、肌への刺激が多い生活習慣のある方などは、粉瘤ができやすい傾向にあります。

粉瘤を放置すると症状が進行し、炎症を起こすリスクや治療後に傷あとが残るリスクが高まります。さらに、内容物が皮膚表面に押し出され、不快な臭いを伴うこともあり、症状が悪化する前の早期治療が重要です。

治療においては、粉瘤の袋状の構造（被膜）を含めて完全に摘出する外科的手術が、再発を防ぐための唯一の治療法です。被膜を残したまま内容物のみを除去した場合、再発するリスクが高くなるため、被膜を含めた丁寧な摘出が必要です。

粉瘤の治療は当院までご相談ください

東京都台東区上野の「東京皮膚腫瘍ほくろと粉瘤クリニック古林形成外科上野院」では、粉瘤の治療を日帰り手術で行っています。

当院では、皮膚領域を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。患者さま一人ひとりの状態に合わせ、豊富な知識と経験に基づいた治療をご提供いたします。

粉瘤でお困りの方は、当院までお気軽にご相談ください。