色のないほくろも除去できる?保険適用の条件と再発リスクを形成外科医が解説
「色のないほくろも取れるの?」「保険で除去できるの?」「再発して盛り上がってきたけど大丈夫?」——そんな疑問を持つ方は少なくありません。
実は、色のないほくろ(皮膚色・肌色のほくろ)でも、医師が“医学的に除去が必要”と判断すれば保険適用が可能です。
一方で、美容目的のみでの除去は自費となるため、違いを理解しておくことが大切です。
この記事では、
- 色のないほくろが保険で除去できる条件
- 保険が使えないケース
- 除去費用の目安
- 再発や悪性の可能性に関するQ&A
を詳しく解説します。
「このほくろは保険で取れるの?」「再発して不安…」という方は、この記事で判断の目安を確認してください。
色のないほくろでも保険で除去できる条件
日常生活への支障をきたしている場合
色のないほくろ(肌色・薄い茶色のほくろ)でも、衣服やマスク・アクセサリーなどで繰り返し刺激を受ける部位にある場合は、保険適用の対象になります。
たとえば「首元にあって洋服に引っかかる」「髭剃りで出血する」「ブラジャーの紐に擦れて炎症を起こす」といったケースでは、“日常生活に支障がある病変”と判断されます。
悪性腫瘍の可能性がある場合
見た目が薄い・色がないほくろの中には、まれに悪性黒色腫(メラノーマ)や基底細胞がんなどの皮膚悪性腫瘍が含まれている場合があります。
形がいびつ、短期間で大きくなる、出血やかゆみを伴うなどの症状がある場合は、病理検査を行うための切除が保険適用となります。形成外科や皮膚科での診察・組織検査が重要です。
医師が除去を判断した場合
肉眼的にはほくろのように見えても、脂漏性角化症や皮膚線維腫など他の皮膚腫瘍である可能性もあります。
診察の上で医師が「診断や治療のために除去が必要」と判断した場合も、保険が適用されます。
単なる美容目的ではなく「医学的必要性があるかどうか」が保険診療のポイントです。
色のないほくろが保険適用されないケース
以下のようなケースでは、自費診療(美容目的)となります。
- 見た目を良くするための除去
- 大きさ・形・色に変化がなく、症状がない場合
- 「気になるから取ってほしい」といった審美目的
この場合は、レーザー治療(CO₂レーザーやエルビウムヤグレーザー)が選択されることが多く、費用は1個あたり5,000~15,000円前後が目安です。
ほくろ除去の保険適用費用
ほくろ除去の費用は、大きさと部位、治療方法によって異なります。
保険適用の場合、3割負担で以下が目安です。
- 5mm未満:5,000円前後
- 5~10mm:7,000~10,000円前後
- 病理検査あり:+2,000~3,000円程度
形成外科であれば、見た目に配慮しつつ必要に応じて病理検査も同時に実施できるため、安心して治療を受けられます。
Q&A
色味のないほくろと黒いほくろでは、除去方法に違いはありますか?
大きな違いはありません。どちらも状態に応じて、メスによる切除法またはレーザー除去を行います。
ただし、色のないほくろは境界が不明瞭なことが多いため、切除して病理検査で診断を確定することが勧められます。
ほくろは色味が薄くなったり濃くなったりと、変化していくことはありますか?また、色が変わらないうちに除去した方がいいですか?
はい、ほくろは紫外線やホルモンバランスの影響で、色や形が徐々に変化することがあります。
急に大きくなったり、色が濃く・薄く変わったりする場合は、悪性腫瘍の可能性を否定するために早めの受診がおすすめです。
色の変化がなくても、擦れて炎症を起こしやすい部位であれば早期の除去が望ましいです。
色のないほくろを過去に除去しましたが、また盛り上がってきました。再発してきたということで、これは悪性腫瘍の可能性はありますか?
ほくろは取り残しがあると再発することがあります。再発だからといって必ず悪性というわけではありませんが、再発部位の形や色、硬さが変化している場合は再検査・再除去が必要です。
特に短期間で膨らんできたり、触ると痛みや出血を伴う場合は、形成外科または皮膚科で病理検査を受けましょう。
まとめ
- 色のないほくろでも、医学的に必要な場合は保険適用で除去可能
- 日常生活に支障がある、悪性が疑われる、医師が必要と判断した場合は保険対象
- 美容目的の場合は自費治療(レーザーなど)
- 再発や形の変化がある場合は、悪性腫瘍との鑑別が重要
- 見た目と安全性の両立を考えるなら形成外科での除去がおすすめ

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