ほくろを触ると痛いのは危険?原因と悪性腫瘍との違い、受診の目安を解説

「今まで気にならなかったほくろが、触ると痛むようになった」
そんなとき、単なる刺激による一時的な痛みなのか、悪性のサインなのか、不安になる方は少なくありません。
ほくろは基本的に痛みを伴わないものですが、摩擦や外的刺激で炎症を起こすこともあります。また、ほくろに似た別の皮膚疾患や、まれに悪性腫瘍(メラノーマなど)の場合もあります。
この記事では、ほくろを触ると痛いときに考えられる原因、悪性腫瘍との違い、受診すべき診療科、さらによくある質問への回答をまとめました。
「この痛みは大丈夫なのか?」と不安を感じた方は、ぜひ参考にしてください。
ほくろを触ると痛くなる原因
摩擦や刺激による炎症
通常、ほくろ自体に痛みはありません。しかし、洋服やアクセサリー、髭剃り、メイクなどによる摩擦や刺激で炎症を起こすと、触ったときに痛みを感じることがあります。繰り返し刺激を受けていると赤みや腫れが出ることもあり、日常的な動作で痛みを感じやすくなります。
ほくろではない類似疾患(粉瘤・皮膚腫瘍など)
「ほくろだと思っていたが、実は別の疾患だった」というケースもあります。
- 粉瘤(ふんりゅう):皮膚の下に袋状の構造ができ、内部に角質や皮脂がたまる腫瘍。炎症を起こすと強い痛みを伴う。
- 皮膚腫瘍:基底細胞癌やメラノーマなど悪性腫瘍の場合、痛みや出血、形の変化を伴うことがある。
自己判断では見分けが難しいため、専門医の診断が必要です。
ほくろと悪性腫瘍の違い
良性ほくろの特徴
- 色が均一(茶色~黒色)
- 境界がはっきりしている
- 長年大きさや形に変化がない
- 通常は痛みや出血がない
メラノーマなど悪性腫瘍の特徴
- 色がまだら(黒・茶・赤・白・青などが混ざる)
- 境界がギザギザ、不明瞭
- 数か月単位で大きくなる
- 出血・かゆみ・痛みを伴うことがある
「急に大きくなった」「色や形が変わった」「痛みや出血がある」といった場合は、早期受診が推奨されます。
ほくろが痛み出したら何科に受診すべきか
皮膚科で診てもらう場合
まず診断を受けたい、検査をしたいという場合は皮膚科が適切です。ダーモスコピーなどの簡易的な検査で、ほくろと他の疾患との違いを判断します。
形成外科で相談するメリット
顔や首など目立つ場所のほくろで「切除を考えている」場合は形成外科がおすすめです。
- 悪性の可能性がある場合は病理検査で確認可能
- 傷跡を目立たせない縫合法で治療できる
- 美容と医療の両方を兼ねたアプローチが可能
痛みだしたほくろに関する質問Q&A
痛みだしたほくろがあり、悪性かどうか調べたいのですが、検査だけをすることは可能でしょうか?
可能です。皮膚科や形成外科では視診・ダーモスコピー検査でまず評価し、必要なら皮膚生検(組織の一部を切り取って顕微鏡で確認)を行います。検査のみで経過観察することもできます。
何も症状が無かったほくろが急に痛みだしたら、他の病気を疑うべきでしょうか?
急な痛みは、摩擦や炎症による一時的なこともありますが、粉瘤や皮膚腫瘍、悪性腫瘍の可能性もゼロではありません。短期間で変化がある場合は早めに受診するのが安心です。
まとめ
- ほくろは通常痛みを伴わないが、摩擦や炎症で痛むことがある
- 実際には粉瘤や皮膚腫瘍など別の疾患である可能性もある
- 悪性腫瘍との区別には医師の診察・検査が不可欠
- 皮膚科や形成外科での早期受診が安心・安全
「ただのほくろ」と思っていても、痛みや変化があれば放置せず、専門医に相談しましょう。