古林形成外科-横浜院

医療コラム

赤いほくろとは?特徴・原因を徹底解説

「赤いほくろ」と呼ばれる皮膚にできる小さな赤い点。この正体は“血管腫”という血管由来の良性腫瘍です。

多くは加齢や刺激によってできる良性のもので、基本的には放置しても問題ありませんが、短期間で大きくなったり、形や色が不規則な場合は、まれに悪性の可能性もあるため注意が必要です。

この記事では、赤いほくろの特徴や原因について、形成外科の視点からわかりやすく解説します。

赤いほくろとは?皮膚に現れる赤い点の正体

赤いほくろの見た目の特徴

「赤いほくろ」とは、正式には「老人性血管腫(cherry angioma)」と呼ばれる、血管由来の良性腫瘍です。

見た目は、鮮やかな赤色~赤黒い小さな点や盛り上がりで、直径は1~5mm程度が一般的です。触れるとやや膨らみがあり、表面はつるつるしているものが多いです。一部のものは平坦なものもあり、出血しやすいタイプもあります。放っておいても痛みやかゆみはありませんが、擦れたり引っかけたりすると出血することがあります。

どこにできやすい?できやすい部位と年齢傾向

赤いほくろは、特に体幹(胸・お腹・背中)や上腕部、顔などにできやすいとされます。衣類との摩擦が少ない部位に多くみられ、まれに顔やまぶたにもできることがあります。

また、30代後半~50代以降にかけて出現しやすくなる傾向があります。加齢とともに増えやすいことから、「加齢サインのひとつ」と捉えられることもありますが、10代、20代でできる場合も少なくありません。

赤いほくろの原因とは?

血管が関係している赤いほくろの正体

赤いほくろは、皮膚の毛細血管が拡張・増殖した結果できる病変です。いわゆる「メラニン由来のほくろ(母斑細胞性母斑)」とはまったく異なる機序でできており、「赤い点」として現れるのは増殖した毛細血管が皮膚表面から透けて見えている状態です。

加齢やホルモンの影響

主な発生要因としては、加齢やホルモンバランスの変化が挙げられます。とくに更年期以降、女性ホルモンの低下によって毛細血管の働きに変化が起きやすく、中高年に急に数が増えるケースも珍しくありません。

また、妊娠中などホルモン変化の大きいタイミングで目立つようになることもあります。

紫外線や刺激との関係性

紫外線ダメージや衣服・下着との慢性的な摩擦も、皮膚へのストレスとなって毛細血管が拡張しやすい状態をつくることがあります。日焼けや刺激の多い部位に赤いほくろが集中することがあるのは、このためです。

赤いほくろは放っておいて大丈夫?

良性のことが多いが、注意すべき場合とは

結論から言えば、赤いほくろの多くは良性で、放っておいても健康に悪影響はありません。

ただし、以下のような変化がある場合は、一度皮膚科で診察を受けることをおすすめします。

  • 急激に大きくなってきた
  • 形がいびつ、不整形
  • 色調が濃く不均一
  • 出血しやすい、かさぶたができる
  • かゆみや痛みを伴う

特に急激な変化を伴う赤い腫瘍は、悪性腫瘍(皮膚がん)の可能性もゼロではありません。自己判断せず、専門医に見てもらうことが安心につながります。

がんとの違い(悪性との見分け方)

皮膚がんの中でも、血管肉腫や基底細胞癌などは見た目が赤~紫っぽいことがあるため、専門医でもダーモスコピーや生検(組織検査)を行って確定診断することがあります。

がんとの違いは「進行性・不整な形・色むら・浸潤傾向」などが指標になりますが、素人判断は危険です。「赤いけど平坦で昔からある」「最近変わってきた?」といった場合でも、気になるようであれば医師のチェックを受けましょう。

赤いほくろの治療法について

経過観察が基本になるケース

基本的に、赤いほくろは良性のため無症状であれば治療の必要はありません。特に痛み・かゆみ・出血・増大傾向がなければ、経過観察で問題ないと判断されるケースがほとんどです。

皮膚の老化現象の一部として捉え、「増えたからといって病気ではない」ことを知っておくと安心です。

除去したい場合の選択肢(レーザー・切除など)

見た目が気になる場合や、衣服と擦れて出血する・化粧の邪魔になるといった理由で除去を希望される場合には、以下のような方法が選択肢となります。

  • 炭酸ガスレーザー(CO2レーザー):痛みが少なく、傷あとも目立ちにくい。出血が少ないのも利点。自費診療。
  • 電気メス(高周波焼灼):一部のクリニックで対応。局所麻酔をして焼き切る。
  • 外科的切除:大きめの赤いほくろや、診断のために病理検査が必要な場合に行われる。

除去の可否や費用は、ほくろの状態・大きさ・部位によって異なるため、まずは形成外科で相談しましょう。

よくある質問|赤いほくろに関するQ&A

赤いほくろはがんですか?

いいえ、多くの赤いほくろは「老人性血管腫」などの良性腫瘍です。

がんである可能性は非常に低いですが、短期間で大きくなったり、色が不均一・形がいびつな場合は念のため皮膚科を受診しましょう。

赤いほくろは自然に消えますか?

基本的には自然に消えることはありません。

放っておいても悪化しないケースが多いですが、見た目が気になる・引っかかって出血するなどの理由があれば、レーザーや切除で除去できます。

赤いほくろが増えてきました。大丈夫でしょうか?

年齢とともに増えることがよくあります。特に30代後半以降に複数できるのは珍しくありません。

ただし、急激に増えたり、形や色に違和感がある場合は一度診察を受けましょう。

皮膚科と形成外科、どちらを受診すればよいですか?

どちらでも対応可能ですが、見た目や傷あとに配慮した治療を希望する場合は形成外科がおすすめです。

皮膚科では状態の診断と薬の処方が中心で、除去処置が必要な場合は紹介されることもあります。

保険は使えますか?

基本的に見た目の改善目的の場合は自由診療(自費)となります。

ただし、悪性の疑いがある、出血や痛みがある場合などは保険が適用されることもあるため、医師の診断によって判断されます。

まとめ|赤いほくろは多くが良性。気になる場合は形成外科へ相談を

赤いほくろは、その多くが良性の血管腫であり、健康への害はありません。ただし、短期間で変化したり、気になる症状がある場合には早めの受診が安心です。

「見た目が気になる」「化粧の邪魔になる」「増えてきたのが不安」といった理由であっても、形成外科で状態を確認した上で、レーザーなどで安全に除去することが可能です。

ご自身では判断がつかないケースがほとんどですので、迷ったらまずは専門医にご相談ください。

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